「東京クルド」というドキュメンタリー映画が、公開されます。
この映画を観たいですが、限定公開のようです。
観たい理由は、イスタンブールでクルド人一家に出会い、彼らの分断の歴史を聞いたからです。
国を持たない人々には、常に帰る国のある日本人には、わからない苦悩があります。
東京クルド 観たいドキュメンタリー映画
映画「東京クルド」の記事を読みました。
この映画、観たいのですが、公開は一部の映画館のようです。
長年日本で暮らし、日本語も話せるクルド人の若者は、日本に居住することができません。
「帰れ」と言われても、帰る国がないというのは、日本人にはわからない感覚です。
旅行で海外を訪れたり、外国人と話す機会があって感じるのは、つくづく、帰る国があるというのはありがたい、ということです。
日本人なら、日本で暮らし、働き、日本人として生きるのは、当然です。
しかし、長い歴史の中で、国や文化を奪われたり、分断された人々は多いのです。
日本は、鎖国を経て、開国しましたが、植民地になることはありませんでした。
戦争で、領土を取られることはあっても、国は存続しました。
これは、かなり運のよいことです。
国全体が、他国に実効支配支配されたり、植民地化されると、悲惨な目に合います。
日本人は、世界のどの国に住んでいても、自分の国が存在し、いつでも帰ることができるのです。
旅行中に出会ったクルドの人々
初めて、クルド人と分かる人々に出会ったのは、トルコでした。
トルコのイスタンブールには、世界の観光客が集まります。
イスタンブールから、近郊に行く1日ツアーに参加すると、世界各国の観光客がツアーに参加していました。
バスの中で、隣に座っていたのは、イエメン人のおじさん二人組でした。
ひとりは大学の先生で、ひとりは建築家だそうです。
ハイクラスな彼らの奥さんたちは、家にいて家事や子育てをし、休暇で旅行するのは男同士の友達だけです。
後ろの方には、クルド人の家族が座っていました。
イエメン人の大学の先生によると、イギリスによって、中東が4分割された際に、クルド人は、国を失ったとのことです。
他国により、境界線が引かれ、クルドの人たちは、自分の国を持たない民族になりました。
クルド人の中には過激派もいるため、トルコに住んでいても、肩身の狭い思いをすることがあるそうです。
旅行中のクルド人一家は、観光ができる程度に裕福で、旅行を楽しんでいたようですが、国を失った経緯を考えると複雑な心境になります。
自分の国を持つ民族
日本には、長い歴史があり、数々の困難もありましたが、国家があり、土地があり、民族として残っているため、帰る国があります。
地理的には、外国の植民地になってもおかしくない場所でしたが、難をのがれました。
居住者のほとんどが、日本人という安心感もあります。
そんな日本人には、土地を失い、分断された人々の心情は、わかりにくいものです。
映画が公開されることにより、国を失った人々の苦悩が伝わればと思います。
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